インダスターのレビュー industar-61 l/z 50mm f2.8 星ボケを使いこなせ!! ~~
最近SNSを中心に話題のオールドレンズ。
その中でも特に人気のインダスターを徹底解説。
最近撮った星ボケの作例も紹介していきます。
さらにレンズスペックから星ボケの出し方まで解説します。
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どうも、最近ebayでオールドレンズを買いまくってます笑
これまでebayで買ったレンズは
・Carl Zeiss jena Flektogon 35mm f2.4
・Carl Zeiss jena Pancolar 50mm f1.8
・ Aus jena Tessar 50mm f2.8
・LZOS industar-61 l/z 50mm f2.8
・Helios-44M 58mm f2.0
・jupiter-9 85mm f2.0
...はい、M42沼にどっぷり漬かっております!笑笑
以前、Flektogonでフォトウォークした記事を書きましたが、万能なお散歩レンズでこれさえあれば他いらないんじゃないか、と思わせてくれる非常に優秀なレンズでした。
本日は、巷で大人気(?)の星ボケのでるインダスターのレビューをしていきます。
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◎本記事の見出し
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industar-61 l/z 50mm f2.8ってどんなレンズ?
インダスターというレンズは旧ソ連のLZOS(リトカリノ光学ガラス工場)にて製造されたレンズです。
当時、旧ソ連は旧東ドイツのCarl Zeiss社の高い光学設計技術を模倣して様々なレンズを作っていました。
インダスターは冒頭に名前だけ出てきたCarl Zeiss社のテッサーと呼ばれるレンズのコピーとなっています。
さてこのレンズ、最近SNSを中心に話題の理由は、六芒星の絞り形状が作り出す、いわゆる"星ボケ"であることは言うまでもないでしょう。
星ボケだけを写し出した写真がこちら。
これはマンションの電灯を撮ったものですが、このような明るい光源は綺麗な星ボケになってくれます。
そんなインダスターのスペックは以下の通り
- 3群4枚テッサー型
- 最短撮影距離30 cm
- プリセット絞り
-
焦点距離50 mm
-
絞りF2.8-F16
-
フィルター径49 mm
特筆すべきは2点。
まず、最短撮影距離の短さ。
30 cmはマクロレンズ的な使い方ができるので、テーブルフォト等にも使えるため、活躍の幅が広がります。
最短撮影距離付近で撮影すれば、背景がすごくボケるので、星ボケも出やすいです。
さらに、レンズ構成が3群4枚のテッサー型という点。
テッサーとは、前述の通りCarl Zeiss社の Tessarというレンズのことです。
実はテッサーは、"鷹の目テッサー"の異名を持つほど シャープな写りが評判のレンズなんです。
("鷹の目"は日本での異名です。海外では"eagle eye"なので鷲の目...響きの問題?笑)
インダスターはテッサーのコピーレンズであるため、テッサーのシャープな写りももちろん受け継いでいます。
f5.6辺りで撮った花手水のjpeg撮って出しですが、いかがでしょうか。
解像度の高さと色乗りの良さが鮮やかな花手水をこってりと描写してくれています。
これ、オールドレンズで撮った上に、撮って出しですよ?笑
インダスターおそるべし...!!
・星ボケ
・テーブルフォトに適したマクロ撮影
・キレの良い描写
どうです?これを読むだけでインダスターを手にしたくなりませんか?笑
インダスター購入の注意点
さて、星ボケのインダスターですが一つだけ注意があります。
それは、星ボケが出ない個体があるということです。
どうやら、当時様々な工場で製造されており、さらに各工場毎に微妙に製造工程等が違っていたりもしていたようで...
ポイントとしては、
- 70年、71年、72年辺りに製造されたレンズは星ボケが出ないものが存在
- 74年以降なら比較的安心
- MC標記のあるものは比較的安心
- 80年以降のものはほぼ大丈夫
ちなみに、製造年度はレンズ前面の化粧リングに記載されているシリアルナンバーの頭2つの数字になっております。
詳しくは是非、東京ぶら街写真。さんのブログを参照してみてください。
上記ブログには年代ごとの微妙な違いが詳しく記載されています。
インダスターをネットで購入する際は、絞りがダビデ型になることが確認できる写真が掲載されている出品者からの購入をお勧めします。
星ボケの出し方と作例
いよいよ、星ボケの出し方の解説です。
星ボケをだすだけならちょー簡単!笑
- 絞りをF5.6~F8.0に合わせる(絞りにクリックが無いので、適当に合わせる)
- 明るくて小さな光源を画面内にいれる(メインの被写体の後ろにあるとよい)
そして、個人的にもっとも重要な点が
- メインの被写体は近くに、星ボケにしたい光源は遠くに配置する(被写体は最短撮影距離近傍でピントが合う場所に配置すると◎)
このメイン被写体と光源の距離感が非常に重要になってきます。
というのも、絞りのダビデ型はF5.6~F8.0まで絞らなければ現れません。
ある程度絞られているため、被写界深度が結構深く、その状態でボケを出すためには、ぼかしたいものはかなり遠くに配置する必要があります。
これがなかなか難しく、思ったように星ボケが出ない理由の一つになっています。
星ボケにできる距離感は、しばらくインダスターを使っていると自然に身に付いてくると思います笑
もう一つ、インダスターでの作品づくりが難しい点は、光源が多いと星ボケで画面がうるさくなるという点です。
イルミネーションやビルの灯りを星ボケにしようとするとたくさんの星ボケが重なってわちゃわちゃした作品になってしまう可能性があるので注意が必要です。
以下、インダスターを入手したばかりの私が試行錯誤して撮った作例です。
私はなかなか被写体と光源の距離感が掴めず、色々と試行錯誤していたのですが、
そんな時見つけた星ボケを活かした撮り方がこちら
分かりますか?笑
手に持ったレンズに被写体を映しこむという方法です。
これを見つけたのは、先日一人で京都行った時の帰り際。
片手にレンズ、片手にカメラという出で立ちで京都駅前をうろうろしていました笑
まだまだ、インダスターを使いこなせていませんが、これからも星ボケを活かした作品づくりを模索していきたいと思います。
まとめ
本記事では、大人気のインダスターのレビューを行いました。
- きらきらとした"星ボケ"
- 最短撮影距離30 cmのマクロ撮影
- キレの良い描写力
が魅力のインダスターですが、
- 70年代前半製造は星ボケが出ない可能性
- MC、80年代製造のものはほとんど星ボケがでる
という注意点があります。
星ボケ撮影を行う際は
- 絞り値F5.6~F8.0
- 被写体と光源の距離感
上記に注意して撮影しましょう。
それでは、皆さんもぜひ「"星ボケ"のインダスター」使ってみてください。